好きなあなたは蟹座でクール
山羊座の私はあなたに優しい人
仲良しの時は彼がリードして
私がトコトコ着いていく
彼が怒った時は話もしてくれない
だから、私は黙るしかない
彼が笑ったら
私まで嬉しくなって
思わずVサイン
したくなる
彼が泣いたら
私はそっと
頭を撫でてあげる
この間
彼が私に相談してきた
私は何か嬉しかった
そう、3年付き合って
初めての事だから
彼は怖い顔で
私にこう言った
「引越しするから」と…
私は泣いた。
きっと私と別れるんだと…
泣いた私の涙を
彼は指で拭った。
彼の部屋の窓から
薄い線の小雨が
降り出した。
暫くすると、小さい私を
彼がぎゅっと強く
抱きしめた。
それから、彼はゆっくりと
ポケットから光る物を出した。
「あっ」
私は思わず息を飲んでしまった。
2秒半程して彼は私の薬指に
優しくスライドさせた。
「一緒に部屋を探しに行こう、良いだろう?」
「お願いいたします。ありがとう」
窓の外は大粒の雨になっている。
まるで私の涙みたい
彼と付き合って間もない頃
相性占いの本を街角で買った
蟹座と山羊座は合わない
そう書いていた。
少しじゃなく相当落ち込んだ。
その日も雨だった
あの日の私は大分子供だったけれど今の私は違う。
彼の事を宇宙一守られるのが
この泣き虫の私です。
私を笑わせるのも
そして、不安にさせるのも
泣かせてしまうのも
目の前のあなたです。
光った薬指をした私は
奥さんになる覚悟をした。
そして、
蟹座の彼と山羊座の私は
今日引越した。