悲し過ぎての涙

先日の話になりますが、今回は私が昔の友人のお母さんに久しぶりに会いに行った時のことを話したいと思います。

小雨降る熊本駅に11時05分に到着。
私の友人のお母さんでもあるMさんと念願の1泊旅行が実現して今日この日を迎えました。

出会いは友人から

中学1年の4月、クラスで最初に友達になった女友達の小学生時代の友達だったのが、この方のひとり娘のUさんだったのです。
忘れもしないある日曜日の午後、私の自宅から歩いて25分程の所にあったUさん宅に遊びに行きました。

日曜日ということもあり彼女の父親も食卓を並べていました。

「こんにちわ」

「いらっしゃい」

そう言って優しく微笑む彼女のお父さん。
まさか、この光景が最後になるとは夢にも思いませんでした。

新しい学校が出来て離れ離れ

中学1年3学期に入り、私は転校しました。
もちろんUさんと会う回数もめっきり減ってしまい、ついには会わなくなりました。

すると、ある日の事です。
私は8月にある「花火大会」を見に行きました。
会場はすでに人だかりです。

ギュウギュウ詰めの花火会場で、私は見つけました。
2列前にUさんが女友達と並んでいるのです。

Uさんが私のいる後ろを振り向かない限り気づいてくれるはずもありません。
残念ながらその日は会って話をすることはできなかったのです。

悲しさを泣かないことでごまかす

時間は流れ、中学3年の夏休みに私は思い切ってUさん宅を訪ねました。

ピンポーン

ドアが空き少し老けたUさんの母Mさんが現れました。

「あらっ 元気でした?
Uは今レコード買いに行っているから、もうすぐ帰って来るから中で待っていてね」

と言われ部屋に通されました。
入った途端、息を飲みました。

黒縁の写真の中にいるのはあの優しいUさんのお父さんなのです。

なぜ?

30分程たったのでしょうか。
Uさんはニコッと笑って「わぁー久しぶり」と寄ってきました。

私は写真を見ないように努めました。
彼女の部屋で、買ってきた最近流行のロックの音楽を2時間程聞きました。
すると彼女が切り出しました。

「お父さん、病気で死んじゃったの」

言った瞬間に私は彼女を抱き泣いてしまいました。

「もう、悲し過ぎて泣かなくなった」

と云いました。

私も父親や、兄を亡くして初めてこの意味がわかったぐらいです。
人間は親の支えがないと、良い意味でギリギリになります。

今現在、彼女は父親似の優しい旦那様と一人娘さんと仲良く3人で暮らしています。
先日思ったのですが、ご主人と彼女の父親が何故か似ているのですから不思議ですね。
泣かなかった彼女が本当に甘えられる人に出会えた事は非常に嬉しい私自信嬉しかったですね。

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授雲

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